シオカラトンボ


 塩辛蜻蛉 2011/7月 五反田谷戸

 シオカラ蜻蛉は「塩辛」とは何ら関係ない
ただ体が「塩」を降り掛けた様に白いので
そう呼ばれる様に成った
「とんぼつり 今日は何処まで 行ったやら」
茜色に染まった 夕空には無数のトンボが 飛び交わって居る
門前で 帰らぬ我が子を待ち焦がれている 母が居る
 江戸時代の歌人「加賀千代女」の作と言われている
千代女は幼子を亡くし 悲しみの余り 何時かふらりと
帰って来るのでは無いかと 何時も思い続けていた。